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  • モールドフロー (Moldflow) とは モールドフローは射出成型をシミュレーションするソフトウェアです。 モールドフローのメリット モールドフローのメリットは大きく分けて、主に3つあります。 1.金型設計の時間短縮と改善 2.プラスチック成型品の設計/素材の改良 3.射出成型機(プレスマシン)を想定したプロセスの調整 大手自動車メーカーによるモールドフローの活用 GM(ゼネラルモーター) アメリカのミシガン州に本社を置くGM(ゼネラルモーター)では、主要なプラスチック成型品を供給するサプライヤーに対し、独自のモールドフロー解析プロセスを義務付けています。 GMのモールドフローを使った成形品開発のプロセス Phase 1.プラスチック製品のDFMとゲートの位置の解析 このステップでは、成形品のゲートの位置を絞ることをメインとしてモールドフローでの解析。また、この段階での製品の設計は、射出成型や金型での生産を考慮されていないデザインであることもあるため、ゲート位置の解析と一緒に、DFM(Design For Manufacturing)や射出・保圧の成形工程を主にシミュレーション。 Phase 2. ゲートの種類をモールドフローに取り入れ、成形品の反りの分析 Phase 1で絞られたゲートの位置に、モールドフローでゲート・マニホールドをモデリングします。この時点では、重鎮圧力や必要トン数(クランプ力)が正確に予測できるようになります。また、成形品の反りを予測します。(冷却管の配置を考慮しないシミュレーション) 注意:モールドフローでは樹脂のゲート内でのつまりを予測することはできません。ガラス繊維入りの樹脂などに対して、トンネル(サブマリン)ゲートなどの使用を検討している際は、金型メーカーや素材メーカーとの相談が必須です。 Phase 3. 冷却管を取り入れた反りの解析 モールドフロー解析と金型の設計を並行して進めるため、このステージまでくると、大まかな冷却管のデザインが完成しています。Phase 2までの、解析に冷却管を加えて、より正確な反りの予測と改善をします。 Phase 4. DOE-射出成型機でのパラメーター調整と現場での金型トライアウト モールドフローでは、射出成型機のスペックを入力して、製品の改良をすることができるため、現場でのパラメーターの試行錯誤を最小にすることができます。DOE(Design Of Experiment)といわれる変数解析を行い、トライアウトのためのパラメーターを決定します。 実際に金型が出来上がった後は、モールドフローから導き出されたパラメーターで金型を回します。実際に出来上がった製品の質も考慮して、パラメータの調節・最終決定をしたら、最後のステージです。 Phase 5. 現場 Vs モールドフロー:相互関係の計算 GMはどれだけモールドフローの予測が実際の成形品に似ているのかを調査するため、サプライヤーに相互関係の計算を義務付けています。 解析者は、現場での最終パラメーターを再びモールドフローに入力して、実際の成形品と反りの大きさや重量などを比較します。 モールドフロー(Moldflow)のこれから このGM(ゼネラルモーター)のモールドフローを取り入れたプロセスにより、今、再びモールドフローの需要が高まってきています。需要とともに、モールドフロー解析の正確性もAutodesk社により年々、改善がされています。 2024年バージョンのモールドフローアップデートでは、STAMP解析による反りの予測の大幅な改善がされています。今まで、モールドフローを大まかな予測のツールというイメージでしたが、モールドフローの導入とトレーニングが射出成型業界での大きなコスト削減・時間の削減のソリューションです。